2000年8月 意見交換:句読点について




日時:2000年8月10日(木)10:00-13:00




場所:国立民族学博物館




社団法人日本ローマ字会 恒例のミンパクでの梅棹会長と共に意見交換会です。




民博のセミナー室をお借りして開催しました

 社団法人日本ローマ字会が毎年、この時期に開催されている意見交換会に参加してきました。
毎年、梅棹忠夫会長を囲んでの会を催しております。

 今回のテーマは「句読点」を考えるというテーマで、事前に読んでおいてと日本の正書法など
の資料が届きました。まずは日本語が専門の先生から5分ほどお話が、まずは題材として川端康
成の雪国の有名な冒頭部分です。
「国境の長いトンネルをぬけると雪国であった...」と原文では句読点がありません。日本語
表記としては、「国境の、長いトンネルをぬけると、雪国であった...」が妥当ではという話
から、いきなり国境は「こっきょう」と読むべきか「くにざかい」なのかと脱線に (^^); 川端
康成はどちらもルビをふっていないそうですが、どうも「くにざかい」と読むのが正解だそうで
す。

■日本語表記の参考になる本
樺島 忠夫「日本の文字 − 表記体系を考える」岩波新書  1979年
小泉 保 「日本語の正書法」         大修館書店 1978年

さて、話はあっちゃこっちゃ飛びましたが、面白い話題をいくつか

■昔は句読点は無かった!
  現在でも目上の人に出す手紙に句読点を書くのは失礼だとか、転居通知なども句読点無しで書く
など風習が残っております。昔は文字が書けるというのは特権階級のもので、それが大衆化によ
って分かりやすくするために「わかち書き」や「句読点」が生まれることになりました。

漢文もエジプトの文字やラテン語にしても昔はダラダラと書かれていたそうで、後で民博の展示
に昔の文字があったので確認しましたが、本当にダラダラ書かれていたんですね。

大体、何で句読点は「くどくてん」ではなく「くとうてん」と読むんだというんだ!から、実は
「くとう」というモノがあってと歴史的説明が出てくるのは日本ローマ字会ならではですね。

■漢字仮名交じり文
日本語の場合は、漢字仮名混じり文で書くことが多いので漢字で区切りがつきやすく、読点を打つ
のが減ることになります。梅棹先生の文章が平易な漢字だけで、かなが多い文章ですが、ほとんど
気にせずに読点を打っているそうです。誤解をまねかないようなところを気を付けて打てばいいの
では、がまあ結論めいたものになりましたが

ある日、梅棹先生のところへある大学から入試問題に文章を使わせてほしいと、問題を送ってきた
そうです。見たら、自分の文章が難しい漢字などをいっぱい使った文章になっており、これでは原
文改竄ではないかと断ったそうです。原文通りだと分かりやすい文章で入試問題にならないんだそ
うで (^^);


昼食会

セミナー室での意見交換会の後、1階のレストランで昼食会




梅棹会長を囲んで


■司馬遼太郎氏の話
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 【書 名】日本の未来へ 司馬遼太郎との対話
 【編著者】梅棹忠夫
 【発行所】NHK出版
 【発行日】2000/6/30
 【ISBN 】4-14-080502-1
 【価 格】1200円
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という本が最近出ておりますが、みどり夫人(司馬遼太郎氏の奥さん)すごいという話になり。「新
聞記者としては夫司馬遼太郎よりも、よっぽど優秀だった」という発言がありました。そういえば同
じ発言が本の中にもありました。




太陽の塔

今年(2000年)はエキスポ’70からちょうど30年なんですねえ!



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