立ち上げ編



知研の支部を作る

 知研に入会しますと事務局から「ちけんだいがく」が送られてきます。東京支部のセミナー講演録などが掲載され、読むだけで参考になる話が多く、楽しみにされている方も多いと思います。ですがやっぱり生の声で講師の話を聞く臨場感には変えられません。ただ、いかんせんセミナ−に参加しようと思っても住んでいる場所が地方でとてもセミナー会場までいけない、というわけで一番てっとり早いのは支部を作ってしまい自分たちでセミナ−を始めてしまうことです。

 東京以外の札幌や東海、関西、九州などの各支部は皆、地方会員が自分達で作り上げてきたものです。そう大層に考えずにここは最初の1歩を踏みだしてみようではありませんか。もちろん支部を作っても、いきなり東京のようなセミナ−は実施できません。ですが地方で知的生産の技術に興味のある人と会えるチャンスは確実に拡がりますし、一番のメリットは今までお付き合いの少なかった職業や年齢の方とのお付き合いができるところにあります。また支部が軌道に乗り、人数も集まるようになれば外部講師も呼べるようになるし、東京などにはいない地方のユニ−クな講師などを発掘出来るチャンスも出てきます。どうですか?面白そうでしょう。興味が湧いたあなたぜひ支部を作りましょう。


支部を作る手順

 ■まずはどれぐらいの知研会員がいるか把握します。
   事務局に葉書なりFAXで問い合わせてみます。
   「支部立ち上げを考えています。集まるのは〇〇市付近を予定しています。
    〇〇市、××市あたりの会員の住所を教えていただけせんか」
   上記のような文面を送りますと事務局から該当の会員住所一覧を送付しても
   らえます。

 ■往復葉書を用意する。
   送ってもらった会員名簿を元に人数分、往復葉書を買ってきます。最初はア
   ンケートを取るのがいいでしょう。
   ・もし支部が出来たら参加しますか?
   ・平日の夜がいいですか? 土曜日の昼あたりがいいですか?
   ・時間帯は18:20−20:30がいいですか? 他に希望する時間帯は?
   ・一から支部を作り上げていきます。会場の場所取りや会計などの仕事が発
    生します。どなたか一緒に手伝っていただける方いませんか?

 簡単なアンケ−トをつけて送付します。東京のように交通網の発達した地域であればいいのですが、地方の場合、電車が30分に1本などということろもあり、平日夜の交通の便がない、勤務先が県外など色々と人によって事情があると思いますので、大体潜在的に集まれる人間を把握するのにアンケートを使います。関西支部の場合は奈良の税理士事務所へお勤めの方からの年賀状がきっかけで始まり、第1回目の会合を開催する前に往復葉書を大阪近辺の20名の方に送り、返事は9名の方からありました。


準備会を開催する

 いきなり第1回目の会合を開催すると言っても無理なので、往復葉書で運営を手伝うと返事の会った方と電話で連絡を取り合って、一度集まります。関西支部の場合は3名の方と確か大阪駅のホテル前で知研の会報を目印に集まり、静かな雰囲気のお店で料理とお酒を飲みながら、運営をどうしようかと話合いをしました。

  

会場場所の設定(予約など)

 第1回目の会合場所、定期的に会合を開けるところをまず探す必要があります。これを探すのがけっこう大変で関西支部でも最初に大阪府の方から府立文化情報センタ−を教えていただいたのがありがたかったです。(場所探しは今も苦労しています。大阪駅近くでいいところあればご紹介ください!)

会計

 会計担当者を決めます。参加費を集めて、かかった経費を計算して、年に1回会計報告をするのが仕事になります。(関西支部では毎年1月に会計報告を配布しています)  問題は参加費で若干黒字になるように設定しますがなかなか、そううまくいかないのが実情です。支出としては会場費、マイクなどの備品代、切手代、コピー代などですが、少し多めに集めるぐらいがいいでしょう。関西支部の1、2年目は会費500円でやっていましたが、これは会場の文化情報センターが1,200円借 りられたおかげです。(この頃の平均出席率は5.5名)  1万円ぐらい会場費がかかるのであれば5、6名集まると考えて1,500円から2,000円ぐらいが目安となるでしょう。外部講師を呼ぶと講演料の支払いも出てきますので、最低でも人数が15名ぐらいにならないと財政的に厳しいですね。関西支部は現在セミナー代を会員2,000円、非会員2,500円でやっていますが、損益分岐点は25名集まるかどうかです。

案内作成・送付

 定期的に開催することになれば事務局と相談して「ちけんだいがく」に案内を掲載してもらえばいいですが、それまでは自力でやる必要があります。関西支部でも最初の頃はコピーして、郵送で発送していました。第3回目ぐらいから掲載してもらえることになりました。  「ちけんだいがく」に掲載してもらう場合には前月の20日までにFAXまたは電子メ−ルなどで事務局へ送る必要があります。。郵送でしたら20日ぐらいにつくように送ります。  案内の内容ですが月日、時間、テ−マ、場所、参加費が掲載されていればOKです。これも担当者を決めた方がいいでしょう。第1回目は皆の自己紹介とこれからの支部運営をどうするかの確認ぐらいで、まずは集まってみることを主眼におく方がいいと思います。

会の運営方針

 どういったやり方で運営していくのか、スタッフの役割分担をどうするのか、第1回目の会合で討議してもいいですが、ある程度方向性を決めておかないと難しいと思います。最初は集まった人に仕事や趣味の話を順繰りにしてもらうということが順当でしょう。関西支部ではゆくゆくは外部講師を呼ぶが、軌道に乗るまで会 員持ち回りで、お互いに得意な分野を話していこうと決めました。そして第1回目、第2回目の参加の中から次はあなた、その次はあなたと割り振った覚えがあります。割り振りましたが仕事の都合などで駄目になった場合など色々と出てきますので、その時はフリーデシカッションに切り替え「私の1冊」ということで本の紹介を互いにするようなこともやりました。


第1回目の会場の確保

 第1回目会場を確保します。ついでに近くの居酒屋などで2次会の方も予約しておいた方がいいでしょう。 関西支部でも確か第1回目から2次会をやりました。「酒的交流の技術」としゃれたネーミングをされている方がいらしゃいますが、やはり一杯やりながら交流を深めるという効果はいいものです。

案内の作成、配布

 時間的に間に合えば事務局へ送って、「ちけんだいがく」に掲載してもらう手もあります。間に合わなければ封筒で送付します。関西支部では第1回交流会の案内を37部送付しました。(大阪府下 23、兵庫 8、京都 3、奈良 2、和歌山 1)で参加は9名でした。第1回目は交流会ということで自己紹介、会の運営方針の確認、開催場所、開催日時などの討議あたりをテーマにするのがいいと思います。


第1回目会合

 とうとうここまでこぎつけました。準備も全部終わりました。はたして何人集まるかと緊張の瞬間です。会場には少し早い目に行って机などを並べます。そうこうしているうちに受付に座っていると色々な年齢層の方が会場はこちらですかと尋ねてきます。まず何はともあれ名刺交換です。そう、そこで名刺交換をした人ともしかすると何十年というつき合いが始まるかもしれません。


    どうですか?そう難しいものではないと思われたのではないでしょうか。関西支部誕生の頃と違って、今では各地に地方支部が出来ています。初期の段階で事務局で連絡先を教えてもらい近くの支部に相談する手もあります。また集まる参加人数がどうも少ないという場合には日帰りできるぐらいの距離にある支部と合同例会をやって、互いに交流するのも面白いと思います。もし関西近辺で支部作りを考えておられるのでしたら、おしかけますのでぜひ連絡を!!ぜひ交流に輪を拡げましょう!!

 <軌道にのせる編に続きます>