軌道にのせる

前回の立ち上げ編に続けて、今回は支部を軌道にのせていく上でのノウハウの話です。  支部を立ち上げて毎回のセミナーに集まる人数ですが最初はおそらく5名から8名前後になると思います。関西支部の場合も立ち上げ時は9名集まりましたが、第2回目6名、第3回目6名、第4回目5名と1桁台の参加数が3年ほど続きました。この頃が一番苦しい時で、これを乗り切ると10名の大台に乗るようになります。10名を越えますと運用も少しは楽になります。まずは頑張って2桁をめざしましょう。

 人数が1桁台の状態では外部講師を呼んでも、会場費や講演料を考えるとどう考えても赤字になります。最初は会員の皆さんに持ち回りでお得意の仕事や趣味の話をしていただく形が無難でしょう。会員の中には下手な外部講師よりもすごいという人がいて、とってもお得な場合もあります。また後から考えますとこの頃、一緒に苦労したメンバーが中核となって会を支えてくれるようになります。講演だけでなく東京などのセミナーを撮影したビデオを見る形を併用してもいいでしょう。またたまには外へ出て、中之島図書館巡りなどを土曜日の昼間に開催したこともあります。

 関西支部では会員の方に講師を頼む場合は講演料無しで、それでは申し訳ないので2次会はご招待(つまりタダ)という形でやっています。タダにするには2次会の参加人数も多い方が頭割りがいいので、ご用とお急ぎでない方というかほとんど全員を2次会に連れていくというスタイルがその頃から定着しております。

 さて会員を講師にお願いしますとサラリーマンの方が多いので急な出張などが入る場合があります。そういう場合はフリーデイスカションの場にします。まずは各自3分間ぐらいで自己紹介したり、テーマを決めてやる場合もあります。関西支部の場合は「私の1冊」ということで互いに推薦する1冊を出しあって、それで話し合うことをよくやりました。


参加者を増やすには

 参加者を2桁台にするには、まずは会員の皆さんに協力していただいて、会社の同僚や部下、上司を誘ってもらいビジターを増やす方法があります。ただ会社以外の人や友人などの方が長続きする場合が多いようです。

その他にもいくつかの方法があります。

 ■公共的な場所にセミナー案内をおいてもらう

 関西支部の場合は大阪府立文化情報センターという中之島にある大阪府の施設に案内を毎回100枚ほど置かせてもらっています。(現在は谷町四丁目に移動になっています)色々なイベント情報が揃っている場所なのでセミナー情報を求める方も多く効果があります。またセミナー情報などを月刊誌で出しているピーマンネットワークという冊子にも毎回案内を載せていただいております。

 ■他の団体との協賛で行う

 東海支部、関西支部でも実施しましたが、日本エニアグラム学会と協賛でエニアグラムのセミナーを開催しました。人数も多く集まりますし、この時に受付に次回案内などを並べて知研のセミナーの宣伝をします。

 ■地理的に近い支部があれば合同セミナーを行う

 関西支部では設立10周年行事の企画として全国の支部を巡り歩いてうまい物を食べようと飲んだいきおいで無謀な計画を立てて、とりあえずは地理的に近い名古屋でということで東海支部との合同例会を行いましたが、いまやすっかり年中行事となってしまいました。人脈が土地を越えて広がりますし、他の支部の運営のやり方なども教えてもらえ、はげみにもなります。また転勤で異動となってもその土地に知り合いがいるというのは心強いものです。

 ■@NiftyのFchiken(知的生産の技術)フォーラムを活用する。

 知研が協力しているフォーラム(会議室)がニフテイサーブにあります。会員数は1万を超えるすごい数になっています。また通信ですので日本全国だけでなくアメリカ、イギリス、シンガポール、香港と様々なところから現地の日本人の方がアクセスされています。

 「知的生産の技術」について話し合うためのフォーラムなので知的生産について意識の高い方の参加が多く、セミナー参加者をつのる有望な市場です。フォーラムの中に「イベント会議室」という名で全国各地のセミナー情報などを載せている会議室がありますので、そこに支部のセミナー案内を載せます。(別に費用 などはかかりません)また東京支部の高橋支部長がイベント会議室にある知研の各支部のセミナー情報を電子メール新聞でインターネット上に配信されていますので、その効果もあります。

 面白い方法としてはイベント会議室で呼びかけてオフ(オフラインミーテイング)を開催することです。オフというのはいつもオンラインで話をしているので、たまには実際に会って、酒でも飲みながらワイワイやりましょうというパソコン通信文化の一つです。  オフに参加していただいた時に知研のセミナーにも来ませんかと宣伝をします。どっかの問題になった宗教団体のようですが、これは効果的です。現在、関西支部でご活躍いただいている幹事の皆さんの何名かはこうやって知研に入っていただきました。 

 ■思い切って外部講師を呼んでみる

 7,8名ぐらいがコンスタントに集まるのなら、思い切って外部講師を呼んでみるのも手です。初めての外部講師ですので15名は集めたいと会員にもハッパをかけて、ぜひ集めてみましょう。このハッパっかけが刺激にもなり効果的です。講師探しは地元で無理ならば東京支部や関西支部にご相談ください。最初は半年に1度ぐらいのペースがいいでしょう。


会計の安定化

 とは言うものの一度外部講師の味をしめると、次はこの人を呼んでみたいなどと色々と話が出てきます。単純に講師料を2万円お支払いするとして会場費が1万円ですと

 支出 2万+1万=3万円    収入 一人 2千円×15名=3万円

でコンスタントに15名を集めるのは至難の業です。関西支部では外部講師を恒常的に呼ぶようになってから累積赤字の連続でした。いかに安い会場を探すかという会場の問題もありますし、会費を2500円、3000円と高めに設定するとやはり月に一回としても出にくい人が出てきます。2次会も含めて5000円 以内を基本に関西支部ではセミナー料を設定していますがやはり会計を安定化させるのが一番大変ですね。2次会で皆、酒に酔っているところで端数を切り上げて200円、300円大目に集め、それを会計に補填してもらうなんて技も使いました。(今も使っています)

 ですが、ぜひ頑張って参加人数を2桁台にしましょう。何て言っても自分が話を聞きたい講師を呼べるようになるし、講演が縁で講師との人脈も拡がりますよ。



   立ち上げ編へ戻る
   勉強会情報へ